
2025年03月01日(土)
3月1日(土)卒業証書授与式を行いました。
卒業生たちは、晴れやかな笑顔で卒業証書を受け取り、それぞれの未来へ向かって力強く歩み始めました。この学び舎を巣立つ皆さんの未来が、希望と喜びに満ち溢れていることを心から願っています。
理事長と校長の式辞を掲載いたします。ぜひご一読ください。
【理事長式辞】
卒業生のみなさん保護者の方々おめでとうございます。卒業のプレゼントありがとうございました。
もう卒業生のみなさんは大人です。選挙権もあります。これからの自分の道をつくっていくのは自分自身です。長い人生うらやましいなあと思います。でもなかなか大変なこともあります。どの社会にも気の合わない人もいます。退屈な勉強や仕事もあります。
私から三つだけアドバイスします。三つの「み」です。一つ目の「み」は身近な人を大切にすることです。SDGや世界平和などももちろん大事です。でも自分のまわりにいる家族や友人、同僚との関係を築くことを先ず心がけてください。二つ目の「み」は見苦しくなく振る舞うことです。格好ではありません。人の目でもありません。自分の心に恥じないことです。信頼を裏切ったりズルしないことです。三つ目の「み」は自分を磨き続けることです。モノでなく自分自身に投資してください。服も車も古くなります。レッスンや勉強などー自分への投資は結局一番長持ちします。最初上手くいかなくても上手くいくようになることが多くあります。自分を追い詰め過ぎないようにした方がいいですが。
私自身出来ているか分かりません。でもこれが私のアドバイスです。違う考えの人もいるでしょう。みなさん自分でも考えて見てください。最後にもうひとつおまけの「み」があります。挨拶は短くです。あらためてみなさんおめでとうございます。この学校はいつでも卒業生を歓迎します。用がなくても遊びに来てください。
ありがとうございました。
【学校長式辞】
春の日差しが降り注ぐ、麗らかな本日、卒業証書を授与した普通科90名、音楽科21名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、ご来賓の皆様、保護者の皆様、本日はご多忙の中、卒業生の新しい門出を祝いにご臨席を賜り、誠にありがとうございます。保護者の皆様、これまで本校の教育活動に御理解と御協力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。お子様のご卒業を心よりお祝い申し上げます。
さて、卒業生の皆さんが学生生活を過ごしたこの北鎌倉の地は、四季折々の美しい自然に囲まれ、自己を見つめ、学びを深めるのにふさわしい場所でした。その環境の中で、皆さんは世界を視野に入れながら学問に励み、友情を育み、そして多くのことに挑戦してきました。学校行事や部活動のみならず、地域への貢献活動や他校との交流などにも積極的に取り組み、下級生の模範となって学園の歴史を繋いでくれた皆さんを大変誇らしく思います。全てが順風満帆ではなく、人との関係に悩んだこともあったでしょう。希望通り行かないこともあったかも知れません。しかし、全てのことが皆さんの糧となっています。
皆さんの卒業にあたり、これまで話してきたことを振り返りたいと思います。
新型コロナウイルスの影響下にあった皆さんの入学式では、3つのことをお話ししました。「心と体の健康を保つ」「想像力を磨く」「夢や目標をもって挑戦する」です。これからも生きていく上で欠かせない「心身の健康」にくれぐれも留意してください。困難な状況に直面したときには「想像力」を発揮してください。新しい可能性を思い描くことで道は開けます。そして、「挑戦」。失敗を恐れず、新たなことに挑み続けることが、未来を切り拓くことに繋がります。皆さんの前には、無限の可能性が広がっています。
それから、皆さんがこの制服に袖を通すのは、今日が最後になります。デザインをしてくださったコシノジュンコさんの人生に大切な「かきくけこ」。私が本校に着任する前から、共感していたキーワードで、機会がある度に皆さんに伝えてきました。「か」は感謝、「き」は希望、「く」はくよくよしない、「け」は健康、「こ」は行動です。人生に大切な「かきくけこ」を忘れないでください。
今日は、コシノジュンコさんの言葉をさらにもう一つ加えてほしいと思います。今年1月にコシノジュンコさんが、姉ヒロコさん、妹ミチコさんとともに本を出版されました。題は、コシノ三姉妹「向こう岸、見ているだけでは渡れない」。この「向こう岸、見ているだけでは渡れない」という言葉は、三姉妹のお母様の言葉で、それを実践してきたから、世界的なデザイナーとしての今があるとのことです。
皆さんに覚えておいてほしいことはこの題もそうですが、コシノジュンコさんの文中の言葉です。コシノさんは「何があっても大丈夫」と思って生きてきたそうです。その一文を紹介します。
「大丈夫」という字は、よく見ると「大」にも「丈」にも「夫」にも「人」という字が含まれています。結局、人間は人によって生かされているし、人に恵まれているとどんな困難に遭遇しても「大丈夫」と思えるようになるのでしょう。人こそ自分の財産だし、人によってデザイナー人生が支えられてきた。人のためにならなければ成功ではありません。
大丈夫という漢字のそれぞれの成り立ちは人間にまつわるものですし、コシノさんの「何があっても大丈夫」の捉え方、本当にその通りです。皆さんは、のびやかな自立を目指して、本校で、思いやりの心、人と協働して困難を乗り越えること、リーダーシップなど、生きていく上で必要な素養を身につけてくれました。これからも人との出会いを大切にし、人と協力し合いながら、自分自身のため、そして社会のために力を発揮してほしいと思います。「何があっても大丈夫」を心掛けて、どうぞ胸を張って、皆さん自身が選んだ道を歩んでいってください。
最後に改めまして、本日ご列席いただきました保護者の皆様に重ねて御礼を申し上げますとともに、卒業記念品として、中庭のベンチと図書返却ポストを設置していただき、誠にありがとうございました。大切に使わせていただきます。
卒業生の皆さんのこれからの人生が幸福に満ちたものとなりますように、また輝く女性として活躍されることを心から願い、私の式辞といたします。
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