
2025年04月08日(火)
4月8日(火)、うららかな春の陽射しが降りそそぐ中、入学式を行いました。正面玄関の桜も満開で、時折舞い散る花びらが新入生を歓迎しているようでした。新入生は新しい制服に身を包み、少し緊張した面持ちで保護者の方々に見守られる中、氏名点呼を受け、担任の先生に誘導されて教室へと入っていきました。
以下、理事長と校長の式辞です。ぜひご一読ください。
【理事長式辞】
皆さん入学おめでとうございます。そして保護者の方々もこの学園を信頼してお預けいただきましてありがとうございます。
新入生の方々はこの学園の一員として、これから私どもと一緒に楽しく学園生活を送っていただきたいと思います。
じつはこの入学式に間に合うように、昨日の夜アメリカから帰ってまいりました。アメリカに行って、今皆さんがよくご承知のトランプ政権がどのようになっているか見てこようと思って、数日間だけワシントンに行ってきました。大変なことになっていると思います。やはり、これからの世の中、一人ひとりが力を持って自分で判断していかなければいけないと確信を深めてまいりました。それを始めるのはやはり中学・高校の時代だと思います。
中学・高校というのは人生でじつは一番大事な六年間ではないでしょうか。またなかなかしんどい時期でもあります。勉強も難しくなるし、大人になりつつある中で人間関係もいろいろ出てくるかもしれません。
私の中学・高校時代はもう六十年以上も前の話で、あまり参考にならないかもしれませんが、じつはそう楽ではありませんでした。私は中学の半分以上アメリカで過ごしました。向こうでは言葉が出来ず苦労しました。帰ってまいりますと、今度は帰国子女ということで疎外されたこともありました。しかし、今から振り返ると、あのおかげで今があるのだと思うところがあります。そうした自分の経験から三つだけアドバイスを差し上げます。
一つは今の自分がもうこのまま変わらないものだと決めつけないことです。例えば、自分は理数系の勉強は不得意だとか、英語は苦手だとか、人見知りで人前で発表することは苦手だとか、そういうことを自分で決めつけない。やってみると意外とそんなことはないかもしれない。皆さんが中学・高校に入ったというのは、時計の針で言えば、二時か三時のあたりをうろうろしているくらいで、これから長い人生が始まっていくのですね。ですからぜひこれから色々と変われるのだと思っていただきたい。これが一点目です。
二点目は六年間の間に人生で自分が何をやりたいか、何が好きなのかを少しずつ探してみるということです。簡単には私はこれだろうというふうには見つからないかもしれませんが、色々なことを読んでみたり、人の話を聞いたりして、この方法が面白いかな、自分にあっているのではないかということを探して、その方向に一歩ずつ進んでいく。これがじつは中学・高校で一番大事なことです。なぜかというと、大学に入る時には学部を決めなくてはいけないでしょう。ですからある程度、方向性を考えることが中学校の頃からできるといいと思います。
三番目は、小学校の時と違って、中学・高校はなかなか色々な問題や心配・悩みが出てきます。進学の心配もあるかもしれない。人間関係の心配も出てくるかもしれない。大事なことは自分で抱え込まないで、保護者の方や先生たちにすぐ相談することです。恥ずかしがらずに相談する。そのために先生たちがいるのです。ですから、ぜひ自分で抱え込まないようにしてください。
これから皆さんと楽しく一緒に学園生活を過ごしていきたいと思います。私はじつは毎日学校に来ているわけではありません。でも学校にいるときは、理事長室は二階にありますが、ドアを開けてありますし、全部ガラスで中が見えますから、ぜひ気軽に、お昼休みや休み時間にのぞいてみてください。皆さんが雑談をしに来ていただくのを楽しみにしています。
では改めておめでとうございます。今後もどうぞ皆さん元気で、楽しい学園生活を過ごしてください。
【学校長式辞】
桜の花びらが春の風に舞い、心華やぐ季節となりました。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。北鎌倉女子学園の仲間になってくださった皆さんを心から歓迎します。 そして、これまで深い愛情で、お嬢様を育んでこられた保護者の皆様に心よりお祝いを申し上げます。
さて、呼名を受けて、爽やかに返事をした皆さんは、新たな生活への期待でワクワクしているのではないでしょうか。皆さんには、次の3つの言葉を心がけて学校生活を送ってほしいと思います。それは、「美しい心で しなやかに 行動する」ということです。
1つ目の「美しい心」とは、心根が優しく、思いやりがあり、感謝の気持ちを持って、他者と調和のとれた関係を築くことができる心のあり方です。本校の創設者の額田豊博士は、明治時代、ドイツに留学した際に、ドイツの女性が、物事を科学的・合理的に思考し、とても健康的であることに感銘を受け、日本の女性も
伸ばせば無限の可能性があるとお考えになり、本校を創設されました。博士は、西洋から知識や技術を取り入れましたが、心は「日本の心」を大切にされ、それは単にしとやかで柔順なのではなく、感性豊かに自分らしく、思いやりの心を持って自らを磨くということで、本校の伝統になっています。
2つ目の 「しなやか」には、物腰は穏やかでも、芯の強さを持ち、物の見方や考え方、判断の仕方が柔軟であるという意味合いがあります。「しなやか」は心理学では、「レジリエンス」とも呼ばれ、困難から早く立ち直る能力や精神力をいいます。これから学校生活を送る中で、挫けそうになることや、人間関係で悩むこともあるかも知れません。そんな時は、一人で悩まずに、周りの人に助けを求めてください。本校には、共に挑戦する仲間がいて、相談できる先輩や教員がいます。人と協力することで、問題を解決する力を高めることもできます。
3つ目は「行動する」です。本校の教育理念である「のびやかな自立」の下、指示を待つのではなく、自分で考え、積極的に行動しましょう。さまざまな経験は、皆さんの自信や力になります。失敗を恐れず、ワンランク上のことにも挑戦することで、新たな自分を発見し、成長へと繋げてください。本校は、本物に触れ、視野を広げ、心を動かす機会をたくさん用意しています。まず今日から、この教育環境を最大限に活用して、「学び方」を身につけましょう。皆さんには、北鎌倉女子学園の生徒であるという誇りを胸に、「美しい心で、自ら考え、しなやかに行動する力」を身につけ、それぞれの夢に向かって力強く歩んでほしいと思います。
私たち教職員は、皆さんの夢を叶えるためのドリームサポーターとして、一人ひとりの個性を大切にし、全力で支援します。
保護者の皆様、大切なお嬢様をお預けいただきありがとうございます。改めまして、本校の教育へのご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんが、かけ甲斐のない友情を育み、楽しく充実した日々を送り、大きく成長されることを心より願い、私の式辞といたします。
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