

2012年12月21日(金)
日本経済新聞のコラムに「リーダーシップ育成のヒント」という記事がありました。
21世紀にはいって10年以上が経過しましたが我が国は何とも言えない閉そく感に覆われています。
経済的にはデフレから抜け切れず、この10年間の経済成長率は,平均0.9%と停滞しています。
中国の成長率が平均10.3%ですから我が国の世界での競争力は衰えるばかりです。
経済だけではなく政治も迷走しています。この十年間で首相が7名変わりました。
この5年間では5人の首相が交代し、先だって行われた衆議院選挙の結果で6人目の首相交代となります。
政治のリーダーが1年間でころころ変わるようでは安定した国を作ることはできません。
日本はこのまま衰退国家になってしまうのでしょうか?
そうならない為にどうすればよいか。本日は二つの解決策を紹介しましょう。
一つはこの日経のコラムで指摘していることです。
日本の経済・政治の迷走の原因はリーダーシップの欠如にあるので、リーダーシップの育成を図ることが必要である。
そのヒントは多くの英国首相を輩出したイギリスの名門パブリックスクールイートン校にある、と記事は述べています。
イートン校は本校が夏休みに希望者対象に語学研修を行っているあのイートン校の事です。
イートン校の教育方針は三つあります。
独立心を持ち自分で判断すること、良きチームプレイヤーであること、そして意見の異なる相手にも敬意を払う事です。
先頭になって道を切り開いていく為には、学力だけでなく社会のあり方や人生について深く思考を巡らせることが欠かせません。
「組織は何の為に存在するか」「人生をどう生きるのか」
こうした根源的な意味を問いかけるイートンの教育がリーダーシップ育成には必要であると記事は述べています。
表現を変えると人間力を磨く事がリーダー育成には必要だという事です。
もう一つの解決策は元マレーシア首相のマハティールさんの言葉です。
11月に来日したマハティールさんは日本の経済力は落ちているが「一人一人の日本人の輝きは世代を超えて普遍だ」とおつしゃっています。
マハティール首相は30年前に“ルックイースト計画”を実行しマレーシアを発展させた方です。
ルックイーストとは“イースト”東に、“ルック”目を向けるという政策です。
マレーシアから東にある日本や韓国を真似る事が、国の発展につながるという政策をとりいれました。
マレーシアは、イギリスの植民地で英語が準公用語になっているので西にあるイギリスやヨーロッパをモデルにするのが自然ですが、
勤勉で高い文化を持っている日本をモデルにして成功しました。
その日本が今低迷しています。
グローバル世界のもとで日本が国力を維持するためには、日本を信頼し日本を好きになる仲間の国を海外で増やす必要がある。
その為には経済の実績だけでなく、一人一人の日本人の輝きを高めていくことが大切だとおっしゃっています。
両者がいっていることを一言で表現すると人間力を高めましょうと言う事です。
本校が、今取り組んでいることは学力と人間力の向上です。
本校が教育目標として掲げた人間力の向上は、日本の再生にとって大切な条件でもあるのです。
明日から休みに入ります、皆さん良い年を迎えて下さい。
高三生はクリスマスもお正月もありません、合格したらクリスマスと正月を一緒に祝って下さい。
これからの1ヶ月、1週間、1日を大切にして下さい。
もう幾日もないからとあきらめるのと、後幾日かあると集中力を増して取り組むのでは雲泥の差となります。
現役生は入試の前日まで伸びると言われていますが、当日まで伸びると言っている方がいます。
試験当日試験会場の自分の席に着いた時、深呼吸して「ああ私は幸せだ、家族や先生や友人たちのお蔭でここに座っている。
様々な事情でここに座ることが出来ない人もいるかもしれない。
大学入試を受けさせてもらえることは有り難いことだ」という感謝の気持ちを持って受験に臨んで下さい。
健闘を祈ります。
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