
2013年01月08日(火)
明けましておめでとうございます。皆さんにとって良い年であることを願います。
本日は、全校生徒が集う今年度最後の式です。
高三生から下級生へのメッセージとして、9月以降の高三のホームルームノートを読み上げてみます。
先ず大学受験に関することです。
9月・10月頃のノートには、おもに受験勉強の辛さ、苦しさや、支えてくれる人への感謝の気持が書かれています。
そして11月から12月にかけては受験に向かう強い心も伝わってきますが、
受験は単に大学に合格することではなく、受験勉強を通して人間的に成長することだという事への気付きが表現されています。
順を追って紹介しましょう。
先ず9月・10月頃の辛さ、焦り、苦しさです。
“夏休みの間、自分一人で勉強して、本当にこの勉強法で良いのか。
模試などの成績が上がらず大学に行けないかもしれないと、とても不安になったり、勉強するのが嫌になったりしました。”
別の方が9/1のノートに書いています。
“校長先生のお話しで「自分を信じ、相手を信じよ。」というお話しがありましたが、
私は高校三年生になってから、全く自分を信じなくなってしまったように思えます。
受験生になったという事もあり、毎日「本当に受験に合格できるのか」「このままでいいのか」という不安でいっぱいです。”
10/1のノートです。
“私は高校1年生の時から定期試験の勉強を努力してきました。
中学から勉強することは好きではなかったです。そのため、努力することはとても苦しかったです。
しかし推薦をもらいたいという目標が自分の中に強くあったので取り組むことが出来ました。”
これらの感想が素晴らしいのは本音で語っている所です。受験は苦しいのです。辛いのです。皆そうなんです。
だから自分一人だけ不安になる必要はないのです。
それではこの苦しさにどう対処したか。
“家族、友達や先生などにアドバイスや悩みを聞いてもらうなど、たくさんの人に助けられたと思います。”
別の方はこう書いています。
“勉強しかやることのないこの時期に自分がどれだけ集中できるか、飽きっぽい性格なので心配だ。
しかし、そんな時こそ力になるのは今まで2年間共にがんばってきたクラスメート等の友人である。
友人の頑張りを目の当たりにすると自分もやらなくてはと、とても励みになる。”
受験は団体戦です。自分一人で戦っているのではありません。仲間がいるのです。
友人とともに戦っていること、それが何よりの支えになっているのです。
受験勉強を通して人間的に成長したこと、二つ紹介しましょう。一つは
“私は、受験勉強は終わりなきトンネルに近いと思っている。
それは辛いとか苦しいという短絡的でネガチィブな考えからではない。
終わりがないのはいくらでも追及すべきものがあり、それをどれだけ本気で手に入れる事ができる機会があるかだと感じている。
抜け道を探してしまいそうになっても、もういいだろうなどとは思わないで、自分で追い求め続ければ、道が少しずつ見えてくるものだと思う。
自分がどこまで本気で追い求められるか。
そして、自分をどこまでのり超えられるか。闘志を高めながら終わりなきトンネルを歩き続けたい。”
もう一つ
“あと受験まで三カ月もない時期になりました。今は正直辛い時期ですが、これを乗り越えたら自分が何であるか、少し分かる気がします。
将来を考えるほど自分が見えなくなっている私にとって、この受験を自分探しのチャンスとして使えたらいいと思っています。”
素晴らしい感想ですね。終わりなきトンネルを歩き続ける。受験勉強を自分探しのチャンスとする。
大学受験に真剣に打ち込んできた結果、生き方に関して今まで気が付かなかったことを発見することが出来たのだと思います。
次に学校行事に関する感想です。
3年生の行事に関する感想で一番多かったのは体育大会での優勝に対する強い願いです。
ほとんどのクラスのノートにその思いが表現されていました。
“黄色学年は今まで行ってきた体育大会ですべてビリという結果に終わってしまったので優勝を狙いたい”
“いつも黄色組は優しすぎるから・・・といわれていますが今回は本気で優勝したい”
“私たちの学年は2度の体育大会は最下位でしたが、燃焼率120%で優勝目指します”
という悲願が見事に達成されました。
おめでとうございます。共に戦った中学三年生の10/1のノートにこう書いてありました。
“高三の先輩方の為にも勝てるようにがんばります。”
高三の気持ちが中三にも伝わったのだと思います。
学校行事の感想で次に多かったのは、合唱コンクールの感想でした。
合唱コンクールでは3葵が二連覇を遂げました。その時のノートです。
“合唱コンクールでは理事長杯をいただく事が出来ました。
昨年から2年連続は初めてのことだそうで私たちが北鎌の新しい記録をつくったと思うととても嬉しいです。
先ずは指導して下さった先生方にそしてクラスの皆に心から感謝します。”
合唱コンクールでも体育大会の時と同様に上級生と下級生の見えない心のつながりがありました。
高三のあるクラスのノートには、
“一年桐組の人達が本当に少ない人数で、あれだけの綺麗でおおきな声が出ていたのにとても感動した。団結の強さに羨ましさを感じた”
と褒めています。
一桐の感想欄には
“見事銅賞をいただく事ができました。人数が少ないながらも協力し、団結した結果だと思います。
金と同じと書く銅賞をいただけて本当に良かったです”。
本人達も全く気付かない先輩と後輩のエールの交換でした。
三年生が下級生の合唱素敵だったよ。
少人数での団結立派だったとエールをおくったのに対して下級生が、協力し団結した結果、金と同じと書く銅賞をいただく事が出来ました、
と答えています。
最後に行事を通して身に付けた人間力について触れている感想文を紹介しましょう。
“今日はアンケートの記入をしている時に自分の成長をもの凄く感じました。
中学生の時は5段階中の3や4がほとんどでしたが、高校三年生になった今、全項目が5です。
自分の成長を数字で実感することが出来て嬉しさと達成感を同時に味わう事が出来ました。
それと身だしなみ検査では、中一の時から何回もご注意をいただいていた私が普段のままの姿で合格することが出来たのは快挙です。
その場だけ取りつくろうのでなく、無意識のうちに身だしなみが身に着いていた事は素晴らしいことです。
内側からも外側からも両方から自分を磨いていることが分かりとても嬉しかったです。”
北鎌の卒業は重いものです。単位が取れていればよいというものではありません。
この方のように自分に誇りと自信を持てるようになった時、いいかえると品性が身についた時に初めて卒業に値することになるのです。
高三の皆さん有終の美を飾って下さい。下級生の皆さん高三生に近付き、追い越せるように頑張りましょう。
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