
2013年03月23日(土)
去る3月21日(木)、平成24年度の終業式が行われました。以下はそのときの校長先生のお話です(一部省略)。
今年度自分が取り組んだことを一つだけ上げるとしたら、これだと自信を持って言える事が何かありますか。
この一年間を振り返ってみます。
国が取り組んだ様々な施策の中で、成果が上がったことを一つ上げるとすればアベノミクスによる円安と株価上昇であるとおもいます。
昨年4月には1ドルが81円でした。本日の円相場が1ドル96円ですから、15円、円安になりました。
その結果日経平均株価が4月9500円であったものが、今月12500円と3000円上昇し、景気が回復し、日本経済に明るさが戻り始めました。
1ドル81円が96円になると、円が高くなったように見えますが、円を中心に円の価値を考えると安くなっていることが分かります。
1ドル81円のとき1円はいくらですか?81分の1ドルです。それが96分の1ドルになると、分母が大きくなりますから値は小さくなり円安となります。
円安が日本の経済にどのような影響を与えるか、貿易で考えてみます。
先ず輸入の場合です。皆さんが昨年4月に1ドルのアイスクリームを輸入しました。
日本円でいくら支払いますか。そうです81円です。一年後の今日おなじ1ドルのアイスクリームを輸入すると96円になります。
円安になると輸入品は高くなります。逆に日本からの輸出品は割安になりますので輸出量は増えて行きます。
日本の主力企業の多くが輸出関連企業ですので円安によって、利益の増加と株高がもたらされ景気が回復します。
だからと言ってさらに円安が進めばよいかと言うとそうでもありません。
過度に円安が進めば原材料や食料品の価格が高騰し経済にマイナスとなり株価も低下する恐れがあります。
次に学校での特筆すべき実績です。
本校の先生方がこの一年間取り組んだ事は様々ありますが、成果の一つは個人カルテの作成です。
一昨年から学校行事を通しての人間力の育成に力を入れてきました。
学校行事の目的を明確化し、皆さん自らが行事に積極的に関わった結果、
自立した社会人として必要とされる様々な社会人基礎力が定着し始めています。
このことは皆さんがアンケートへの自己評価をしている時に、
実際に数字の伸びを感じ、自己肯定感や自信を深めてきていることに表れています。
今年度教務と進路の先生方が、皆さん一人一人の人間力の伸びと学力の伸びをグラフで表現する個人用カルテの作成に取り組んでいます。
このカルテは他の学校でも教育産業でもまだ作られていないものです。
このカルテはまだ未完成ですが、
完成しますと人間力と学力向上の為の新しい取り組みとして皆さんのやる気や意欲を引き出してくれるものと期待しております。
貴重な体験をした高二生の話をします。修学旅行の最終日に羽田空港から自宅に戻り、
一休みしてからすぐに夜行バスで宮城県の女川町に行き、翌日石巻市の被災状況を見学した後、
現地の高校生と交流を深め、バスで戻るという企画に参加した高二生が二人います。
どうだったと聞きましたら、大変でしたと言う事でしたので、
私は修学旅行のあと疲れているのに夜行バスで移動という強行スケジュールが大変だったのだと思いましたら、
体力は問題なし、震災から三年たつのに現地の復興が遅れている状況が大変だったという事です。
いまだ復興していない町をみる事、同年代の人と話をすることはこれから何をすべきなのか、
どう生きるのかを考える上で、貴重な経験をしたことと思います。
さて、明日からの春休みになりますが。春休みは何の為にあるのでしょうか。
会社に行っているお父さんやお母さんに夏休みや正月休みはありますが、春休みはありません。
学生に限られたもので、遊ぶ為ではありません。学生にとって必要なものだからです。
それは前年度を振り返り、新たな覚悟を持って新学期に臨む為の期間です。よい新学期を迎えましょう。
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