入試に関するお知らせ

授業始めの式 校長先生のお話全文

2013年09月02日(月)

おはようございます。9月になっても暑い日が続いていますが、暑さに負けず頑張りましょう。
これからの2ケ月は、合唱コンクール・文化祭・競技会と様々な行事が続きます。
行事に参加している生徒の様子をみるとその学校の生徒のレベルが分かるといわれています。
合唱コンクールでは音楽のレベル、文化祭では文化すなわち学校全体のレベル、競技会では運動のレベルが分かります。

これまで本学園の行事の完成度、取り組む生徒の熱意は大変レベルが高いという評価を受けてきました。
今年もさらに素晴らしい行事にしてほしいと思います。

皆さん一人ひとりにとっては、行事に積極的にかかわることで大切な人間力を身につけることができます。
一つの目標に向かい仲間と一緒に取り組むことで、団結力や達成感を得ることができます。
それだけではありません、行事を通して身につけるものは、日本のこれからの発展に欠かせないものだと脳科学者の茂木健一郎さんが言っています。

資源のない日本が経済大国となりえたのは何故か?日本人が勤勉で、技術力が優れていたからです。
しかし現在の世界では、日本人と同じくらい勤勉で高い技術力を身に付け、日本人より安価な労働力を提供できる国がたくさん出てきました。
ではこれからの世界で、日本はどのように生き残っていけばよいのか。
その答を茂木さんが、世界で活躍している日米の大企業の経営方法の違いから説明しています。
アメリカは天才経営者が会社を統率し成功を収めていくのに対して、日本は社員全員のチームワークが成功を支えているのです。
アメリカではビルゲイツやスティーブ・ジョブズというカリスマ経営者が世界的大企業を育てました。
日本のトヨタ自動車にはカリスマ経営者はいません。ではどのようにして世界でトップクラスの企業になったのか。
トヨタ社員であれば中卒者も大学院卒業者もパートタイマーも全員が生産や経営に関する自分の意見をA4サイズの提案書で提出します。
そして皆のアイデアをもとに会社が動いているそうです。松下電器創業者の松下幸之助さんも衆知を集めることが大切だと言っています。
日本企業の成功は勤勉さに加え、この集団的想像力とチームワークの力によるものなのです。
ロンドンオリンピックの時、日本が団体競技で沢山のメダルを取ることができたのもこのチームワーク力によるものだと思います。
クラスやクラブの部員が一つの目標に向かい全員でかかわり、問題点をチームで解決しようとしていく力が日本人の成功の秘訣なのです。
いいかえると天才がいなくても、ごくごく普通の人間のその知恵を集め世界ナンバーワンになっているのです。

行事以外の学校生活でもこのような力を身につける機会があります。
週番もそうです。高校生の週番は、放課後の掃除評価の仕事が特別講義の関係でなくなりましたので、
どのようにすれば今までのようなきれいな環境を保てるか高校生に考えてもらいました。
これから皆さんのアイデアをもとに具体策を検討していきたいと思います。
ホームルームノートの週番に関する感想のなかで私が印象に残ったのは、
掃除の見回りをしている先輩方が楽しそうだったのでやってみたかったというものと、中三の時に校舎を回る仕事が好きだったというものです。
クラブと違って週番は全校生徒が一度は経験するものです。
上級生として学校全体の生徒たちの生活や学ぶ環境を自分たちの力で良くしようとする自治活動であり集団行動です。
このような活動に意義や楽しみを感じてくれることは素晴らしいことです。
週番や行事、部活動に積極的に取り組み人間力を高めて下さい。そしてやがては日本を活性化していく原動力に育ってほしいと思います。