
2013年11月19日(火)
11月15日(金)に高校生を対象とした教養講座が行われました。今年は、元内閣総理大臣の福田康夫氏をお招きして、「明日の日本」というテーマでの講演会となりました。政界引退後も政治、外交面で活躍中で、先月は中国に、今月はアメリカにとお忙しい中、本校にいらして下さいました。
平和の維持のためにアメリカや近隣諸国との関係をどうすべきか、18歳選挙権の動向など、ホットな話題で話が始まりました。
いかなる事態にも的確に対処するのが政治家の責務であるが、中にはあまり立派でない政治家もいるので、国民がそれを見守り、審判するのが民主主義であると論じつつ、民主主義における選挙の意義と投票する側の責任について語られました。
その後話題は終戦直後の様子からその後の復興、少子高齢化問題、外交、経済と多岐にわたり、福田氏の見識の深さを窺えるものでした。そして、これらの問題は個々の単独での問題ではなく、すべては一つの大きな環になって関連しあっていることがよくわかりました。
また、日本という国は、長寿国であるということにも表れているように、文化的にも社会的にも成熟したすばらしい国だということを強調されました。その素晴らしさを、次の世代を担う若い人たちが自信をもって世界に発信していくことが国際理解、世界平和につながるのだと言われ、生徒の胸にも強く響きました。
お話の締めくくりには「通常の生活を送ることが健全な社会を作ることにつながる。日本社会の良いところを残すことで、安定した生活の基盤を築いてほしい。同時に想像力を働かせて30年先を見据え、今なにをすべきかを考えて下さい」とのメッセージを頂戴しました。
また、お話の後には質疑応答の時間も設けられました。生徒からは、総理大臣としての思い出から消費税の問題や国際理解の方法に至るまで、広範な問題に関して質問が数多く出されました。それらに対して丁寧に応えられる福田氏のお姿が印象的でした。
文責:高3学年主任
前のお知らせ:一藤クラスコンサートが行われました。
次のお知らせ:北鎌よもやま話No.195「卒業生の活躍~彩さん~」