
2017年01月14日(土)
とある日。北鎌倉女子学園の一室で文芸部は活動中でした。
窓から見える空は既に茜色に染まっており、物淋しげな旋律が市中に響き渡る中、文芸部室は静かでした。五人の部員が互いの様子を窺います。やがて部長が机の中央に盛られたカードを一枚捲りました。表を見せたそれに全員が注目します。
「せ、蝉丸・・・・・・!」
驚愕の声が上がりました。蝉丸が引かれたのであれば、次に【姫】を引いたものの勝利が殆ど確定します。
そう、我々の『坊主めくり』の本番はここからです・・・!
と、書いてはみましたが、実際はもう少し真面目に私たちは活動しています。
主な活動は『お題』と呼ばれる様々な単語の書かれた紙を引き、それに沿って小説を書くことです。しかし小説は短い時間ですぐに書けるものではないので、時間のたりない日は他のことをする時もあります。
知識を深めたり、世の中の様々な事柄について熱く議論を交わして、部員同士の中を深めるのです。
私たちは『紫陽花』という部誌を文化祭の時に発行します。これは部活創設から欠かさず毎年発行していて、今年で五十八号を数えました。
同じく新入生歓迎会では、特別冊子を発行します。来年は『gift』という書名です。
これらの部誌は部員の短編を集めたものですが、長めの話を本にすることもあります。完成した時の、自分の書いたものが本になったという喜びは何物にも替え難いものです。
現在文芸部は毎週水曜日と金曜日に、五人の部員がのんびりとした雰囲気で活動しております。
これからも先輩方から受け継いだ習わしを大切にしながらも、もっと色々なことに皆で挑戦していきたいと思っています。
たとえ人生が何かを成すのに短すぎるとしても、少しでも何かを創っていけたら、それはきっととても素晴らしいことでしょう。だから私たちは今日も、物語を創るのです。 (A・S)
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