入試に関するお知らせ

新理事長・校長入学式式辞

2017年04月07日(金)

この4月に就任した新理事長と校長の入学式での式辞を紹介いたします。

<理事長式辞>
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
私が新任の理事長の藤崎です。
皆さんと同じように今日からこの学園生活を始めます。

少し私のことをお話しそれから皆さんへのお願い、期待を述べます。
私は、神奈川県で生まれ、学校に行き、その後外交官になりました。
43年間勤めました。
今から5年前に外交官生活を終えて、大学の先生になりました。
東京の上智大学です。今でもそこで週一回、大学生に国際政治を教えています。時々中学や高校でも講演します。
この学校にも2年前に斉藤前理事長の依頼で来てお話ししました。

みなさんへの期待、お願いについてお話します。
これからの世の中の進む方向には、二つの特徴があります。
けっして目新しいことではありませんがお話しします。

一つは、国際化です。
つまりほかの国、国民との接触です。
日本だけで片付く話はますます少なくなっています。
芸術でも日本だけでなく国際的に認められることにより飛躍的に活躍の場が広まります。
外国が苦手だとかおっくうだとか言う時代ではなくなっています。
好むと好まざるに関わらず、付き合わざるを得ないのです。
ではそうした時代に乗り遅れないためにどうしたらいいでしょうか。
秘訣は映画、音楽など自分の好きなことを通じ外国の文化に関心を持つのです。
外国文化を知るためには外国の言葉を学んで見たいと思うはずです。
日本語が分からなくてはやはり日本の文化に親しむのは難しいでしょう。
外国語ではぜひ英語をまずものにしてください。
これが一つ目のお願いです。きっと報われるとお約束できます。

もう一つは女性の自立です。
いま女性のリーダーは珍しくありません。東京都も横浜市も女性がトップです。イギリスもドイツも女性の首相です。
でもけっして高い地位につくとかお金持ちになれということではありません。生活力を持った強い女性になってください。
社会で自立する人になるのです。
女性だから控え目にしなければいけないとか、あとからついて行けばいいということはありません。
もちろん女性として気品を持って生きることは大事です。
でもそれは自分で堂々と自分の道を切り開いていくこととはけっして矛盾しません。
女性の自立については何をすればいいのでしょうか。
自分が何になりたいか、一回限りの人生で何をやりたいか少しずつ考えるのです。
どんな仕事が面白そうか調べてみるのです。
この国際化と女性の自立という二つの時代の要請に応えていく準備を今から始めましょう。
中学高校から始めてけっして早過ぎることはありません。
あせることはありません。
時間はあるのですから少しずつ前進してください。
でもいつか始めればいいやとのんびりしてはダメです。
あっという間に高校の卒業になってしまいます。
まずは意識を持って始めることです。

最後にもうひとつお願いがあります。
イジメをしないことです。
この学校はそういうことは余りないといいます。
しかし人間社会ですから好きな人、あまり気の合わない人はいるでしょう。
でもだからと言って無視したり仲間外れにしたりしてはいけません。
された方の人は一生心の傷になります。
社会に出れば気の合わない相手とも仕事しなければなりません。
その良い練習機会だと思って誰とでも付き合えばいいのです。

最後に皆さんが楽しい学園生活を送れるよう私たちも努力します。
元気に充実した日々をぜひ過ごしてください。
あらためておめでとうございます。
20170407入学式 (5)

<校長式辞>
中学新入生26名、高校新入生125名の本学園ご入学を心から歓迎します。また、ご列席の保護者の皆様、お嬢さまのご入学誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
本日、校門の桜が新入生のみなさんのご入学を祝うかのように見事に咲き誇っております。この桜の木は、本校創立の記念に植えられたものと聞いておりますので、今年で77歳、人間で言うと喜寿にあたります。おめでたい入学式のご挨拶といたしまして、この桜に言寄せてお話しをしたいと思います。
我が国の入学式といえば「桜」というくらい、このふたつは切っても切れないほどの風物となっておりますが、冬を通り抜け本格的な春を迎えた歓びが桜に象徴され、また入学という新しい人生の始まりへの期待感とがぴたりと寄り添ってのことだと思われます。今日も少し肌寒かったでしょうか。桜の咲くころの寒さを花冷えといい、今日のように空が曇っていると花曇りというのを新入生のみなさんもご存じだと思います。桜を見ることを花見というのは言うまでもないですよね。日本人の感性の中では、「桜イコール花」なわけですが、そこから「花」にまつわる様々な言葉や言い回しが生まれてきています。美しく盛んなものをいうことも多く、例えば、みなさんのような少女時代にある人を「花のとしごろ」といいます。きれいですね。あげればきりが無いのでそれくらいにしまして、さて、「花」はいきなり咲くものだろうか、咲くためにはどのようなことが大切であり必要なのだろうということ、また確かに「花」は華やかで人目を引くのですがのが、それだけがその樹木の価値なのだろうかということが、私のお話したいことなのです。
3年後あるいは6年後にみなさんは本学園高等学校を卒業されるわけですが、卒業の時にぜひ自分の心に花を咲かせて欲しいと思っています。その花とは、有名大学に合格できましたというものではありません。勿論それも立派なことです。生やさしいことではありません。ただ、私がみなさんに咲かせて欲しい花とは、満足感です。「この学校で過ごせてよかった、うまく言えないけれど何か大切なものを手にした、あるいは間違いなく人として成長した」とか、3年間6年間の時を経て、自分を力強く肯定できる実感、私はそれこそが「花」であり、18歳から先の人生を明るく照らすものだと思っています。
ありきたりな言い方になりますけれど、大地にしっかりと根をおろし、水分養分をたっぷり吸い上げ、太陽の光をいっぱい浴びて、幹を太くし枝を広げ葉を茂らし、樹木が育ってゆきます。みなさんの3年間6年間はこのようにして樹木がぐんぐん大きくなってゆく、まさにその時期にあたります。しかし、強い風で枝を折られたり葉を落とされたり、大雨で土壌をながされたり、自然界の樹木もまたいつも順風満帆というわけではありません。勿論、本校はみなさんを風や雨から守ります。ある意味、ガラスでできた温室のようなものであったり、整然と植林された、排水溝や防風林を備えた樹林のようなものかも知れません。とはいえ、18歳でみなさんが大人の入り口に立つとき、少々の雨少々の風で立ちすくむようでは、学校として教育の責任を果たしたとは言えないのではないか、とも思います。雨や風も自分の栄養分にしてゆく「たくましさ」もまたみなさんに備えてほしいし、必要なものでしょう。学園として、もちろんそのための環境作りはいたします。しかし、たくましさを身につけるために最も大切なもの、それは、みなさんが自分から、根を張ろう、養分を吸収しよう、陽の光を浴びようとする気持ちを作り上げるところにあると私は考えています。
また、桜は春のひととき花を咲かせますが、そのために1年間準備をしているのだろう
と推察されます。「自分から根を張ろう」など、能動的主体的な取組が大切ですよ、と先ほど、お話ししましたが、もうひとつ花を咲かせるための準備の時間が大切です。一見平凡に見える日常を大切にし継続できること、これもなかなか大変なことです。樹木でいえば、根・幹・枝・葉でしょうか。樹木総体があって「花」を咲かせることができる。これからの3年間6年間でぜひ総体としての自分を育てていただきたいと思っています。
今日は、桜の話から入りましたので、つい桜の花のイメージでお話ししてしまいました。でも、実際にはいろいろな花があります。派手な花、可憐な花、大きな花、小さな花、みなさんが咲かせるどのような花も、誰のものでもないみなさんだけの花です。また、四季を通じて様々な花が咲きます。それはこれからの学校生活を彩るその時々の達成感であったり、楽しい思い出というべきものです。校門の桜はもうすぐ散ります。でもみなさんの胸に咲いた花は決してなくならない。一生を楽しく彩る花をぜひ本学園で咲かせてくださることを願ってやみません。
保護者の皆様、本日から大切なお嬢さまをお預かりいたします。お嬢さまに先ほど、楽しく心豊かに学んでいただくためのお願いをしました。学園といたしましても、お嬢さまならびに保護者の皆様のご期待に応えられる教育内容であるために様々な取組を行い、工夫を続けてまいります。どうか、本学園の進む道にご理解をいただき、ご協力賜りますようお願い申し上げ、私のご挨拶といたします。
20170407入学式 (4)