入試に関するお知らせ

<学校長>授業始めの挨拶

学園三長の部屋 2020年08月29日(土)

みなさん、元気ですか。

今日から学園生活が始まります。まだまだ暑い日が続きそうです。新型コロナウィルス感染予防や熱中症予防など注意が必要ですが、手洗い、うがい、換気、そして水分補給などをしっかりして、楽しい学園生活を創って行きましょう。

ところで、この夏休みにはどんなことにチャレンジしましたか。その中で「これはできた」、「これならできる」という「できる自分」に出会えましたか。

そうだとすれば、おそらくあなたは、夏休み前よりも一回り大きく成長しているでしょう。他方、「ちょっとくらい」「このくらい」という誘惑に負けてしまった人はいませんか。もしそういう人がいたら今日からもう一度、目標を立て直し、「できる自分」を育てるためにチャレンジを始めましょう。

うまくいかないことに出会った時に「もう無理」「できない」と諦めてしまわずに人の力を借りてでも問題解決の糸口を見つけ出し、「今度こそはきっとうまく行くはず」と自分を信じてもう一度チャレンジしてみましょう。人生の主人公はあなた自身なのですから誰かが何かをしてくれるのを待っているのではなく、理想の自分に近づくために自分から積極的に動き出しましょう。

今日は、みなさんと一緒に考えてみたいことがあります。それは、新型コロナウィルス感染に関する人々の対応についてです。年明けから現在まで長期に渡って感染が続いています。この間、医療従事者の方々は自分自身の心身の疲労を乗り越えて治療や看護を継続しています。本当にありがたいことです。医療従事者の方々に感謝の気持ちを届けようとたくさんの人々が、さまざまな形でその思いを表現しています。他方、残念なことですが、医療従事者の家族の方や、感染された方、またその家族の方々に心ない言葉を投げかける人もいます。

言葉は、「相手を大切に思う心」が伴なわなければ、ナイフよりも深く人を傷つけてしまうこがあります。

これから宮澤章二さんという詩人の『行為の意味』の中から「結実の季節」という詩を紹介します。この詩を通していま私たちは、どのように行動すべきかを考えてみたいと思います。では聞いてください。

 

あなたの〈こころ〉はどんな形ですか
と 人に聞かれても答えようがない
自分にも 他人にも〈こころ〉は見えない
けれど ほんとうに見えないのであろうか

確かに〈こころ〉はだれにも見えない
けれど 〈こころづかい〉は見えるのだ
それは 人に対する積極的な行為だから

同じように胸の中の〈思い〉は見えない
けれど 〈思いやり〉はだれにでも見えるのだ
それも 人に対する積極的な行為だから

あたたかい心が あたたかい行為になり
やさしい思いが やさしい行為になるとき
〈心〉も〈思い〉も 初めて美しく生きる
それは 人が人として生きることだ

 

いかがですか。この詩から何を感じ、何を考えましたか。

自分たちがウィルスに感染する危険を顧みず、一生懸命に治療や看護に従事している方々やそのご家族、感染された方やそのご家族。本当に大変なのはその方々です。私たちの周りにもし医療従事者がいたら、あるいは感染した人がいたら、大変な中で頑張っている人々がいたら、私たちはどのように対応すればよいのでしょうか。しっかりと考えてみましょう。

鳥は翼をもつことで鳥として生きます。魚は水の中で生活することで魚として生きます。私たちはどうすれば人として生きることができるのか。考えてみましょう。

以前、健やかな人間関係を作る上での、心構えとして「和顔愛語」という言葉を紹介しました。覚えていますか。「和顔」とは、平和の「和」に「顔」です。

つまり「穏やかな表情」ということです。「愛語」とは、愛する国語の「語」。言葉を大切にするということです。つまり、「和顔愛語」とは、穏やかな表情で相手を思いやった言葉遣いをすること。そうすることでお互いに安心して生活できる環境を作ることができます。

人にされて、あるいは言われて嫌な思いをしたこと、悲しい思いをしたことは 絶対に人にしてはいけません。みなさんには、お互いに助け合い、励まし合い、支え合える人間関係を作ってもらいたいと願っています。

さて、今年は学校行事が例年のようにはできていませんが、高校3年生にとっては、一日一日の学園生活、一つひとつの行事が最後になります。思う存分、悔いのないようにとことん楽しんでください。

最後になりますが、これから始まる学園生活は、まだ白紙の状態です。三か月後、半年後により良く より美しく変化できるようにいま何をすべきか自ら考え、行動して行きましょう。明るく、元気に本気で取り組めば、今日一日は充実するはずです。また、一人ひとりの取り組みが、北鎌倉女子学園の歴史と文化を作り出して行きます。日常を大切に生活して行きましょう。

以上、ごきげんよう。