学園からのお知らせ

〈学校長〉令和5年度入学式式辞

2023年04月11日(火)

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。北鎌倉女子学園の歴史をつくる仲間になってくださいました皆さんを心から歓迎いたします。 

そして、これまで深い愛情で、お嬢様の努力を支えてこられた保護者の皆様に心よりお祝いを申し上げます。 

さて、新入生の皆さんは、今日から本学園で、新たな学校生活の第1歩を踏み出します。それにちなんで、明治から昭和にかけて活動した教育者の後藤静香さんの『第一歩』という詩を紹介します。   

  十里の旅の第一歩  百里の旅の第一歩  
  同じ一歩でも覚悟が違う 
  三笠山に登る第一歩  富士山に登る第一歩  
  同じ一歩でも覚悟が違う
  どこまで行くつもりか  どこまで登るつもりか
  目標がその日その日を支配する

「夢」や「目標」は、自分の心を動かし、行動を起こす原動力になります。 

皆さん、是非、大きな「夢」を持ち、それを叶えるために具体的な目標を立てて、一日一日を大切に過ごしてください。皆さんの人生は、自分自身が主役を演ずるドラマです。シナリオは人生の戦略です。これまでは保護者の方にシナリオを委ねた人もいるかもしれませんが、これからは、自ら書き下ろしましょう。

何を得意にしているのか、好きなことは何か、かけがえのない一度きりの人生で何をなすべきなのか、自分の才能を最大限に発揮できるようなシナリオを書いて、その実現に向けて努力することが「のびやかやな自立した女性を育む」という教育理念の本学園で、教育を受ける最大の目的だと思います。

しかし、まだ具体的に思い浮かばない方もいると思います。そういう人は、目の前のことに全力で取り組みましょう。中学・高校時代ほど、幅広い分野の科目を学べる時はありませんし、努力を続ければ、幸運の女神が微笑んでくれることでしょう。日々の勉強や部活動、学校行事など、学園生活のあらゆるものが、皆さんを磨き、さまざまな経験が、間違いなく皆さんのチカラや自信になります。

その上で、これからの学園生活で心がけてほしいことを2つお話しします。

1つ目は「想像力を鍛える」ということです。

皆さんは、将来、社会人になり問題に直面した場合、自分で考え判断し、解決しなくてはならないことが多くなります。そのために、今のうちから多様なことに興味関心をもって知識を蓄え、積極的に他者と交流して、自分の視野を広げる必要があります。そして何か課題があったら、その解決に向けて新たなアイディアを出すなど、日頃から想像力を鍛えましょう。

普段の生活でも、相手の気持ちを想像することに努めると、挨拶も自然にできて、思いやりのある和やかな日常が送れると思います。是非、想像力を鍛えて、先を読んで行動できるようになってください。

2つ目は「挑戦する」ということです。

自らの限界をつくらず、自分の可能性を広げるチャレンジを繰り返してください。失敗したら、何度でもやり直せばいいんです。成功するコツは、失敗に負けないことだといいます。 そうは言っても、くじけたり、凹んだりする時もあると思います。学園の教育理念にある「自立」は、一人で頑張ることではありません。決して「孤立」ではないのです。困った時は周囲の人に遠慮なく助けを求めてください。

思いっきりいろいろなことに挑戦して、楽しい思い出を抱えきれないほど作ってほしいと思います。

私たち教職員一同は、ここにいる全員のドリームサポーターとして、一人ひとりの個性を大切にし、皆さんの夢を叶えるために全力で支援します。

保護者の皆様 、大切なお嬢様をお預けいただき誠にありがとうございます。改めまして、本学園の教育活動へのご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 

最後になりますが、本日、ご臨席賜りました保護者の皆様に重ねてお礼を申し上げますとともに、新入生の皆さんが、温かい友情を育み、実り多く、充実した学園生活を送られることを 心から祈念し、私の式辞といたします。 

令和5年4月7日
北鎌倉女子学園高等学校
校長 佐野 朗子