学園からのお知らせ

《校長》後期始業式 校長先生のお話要旨(2023年9月2日)

2023年10月02日(月)

今日から後期が始まりました。

後期始業式での校長先生のお話の要旨を紹介します。ぜひご一読ください。

 

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皆さん ごきげんよう。

今日から後期の授業が始まります。前期の通知表は来週水曜日にお渡しします。勉強は一人でできるので、後期に力を入れることなど、それぞれが目標をしっかり考えてください。一人でできないのが学校行事です。友達と力を合わせないとできません。前期はさまざまな行事がありましたが、特に合唱コンクールは皆さんの集中力と歌声に感動しました。来週には文化祭があります。皆さんがチームワークと創造力を発揮することを期待しています。

今日は、私が印象に残っている言葉についてお話したいと思います。最初に、耳にしたのは5年ぐらい前、NHKのドラマの中で、草笛光子という女優さんセリフにありました。「メメントモリ」という言葉です。

この夏テレビで、水彩画のような絵の怪しげな可愛らしい少女が出てくる「メメントモリ」というゲームアプリのコマーシャルを見た人は多いと思います。このコマーシャルを不快に思っている人が多かったようで、印象に残っている人もいると思います。皆さんは、この「メメントモリ」という言葉の意味を知っていますか?「メメント・モリ」とは、「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味を持つラテン語です。メメントは思い出す、モリは、死という意味です。この「メメント・モリ」という言葉の起源は、古代ローマで、戦に勝利した将軍が凱旋パレードを行う際、同行させた使用人に「メメント・モリ」と言わせて、「今日が勝利でも、明日はどうなるか分からない」という戒めの言葉として使ったそうです。皆さんのほとんどの人が生まれる前、2005年6月、アップル創業者の故スティーブ・ジョブズが、米スタンフォード大学の卒業式でスピーチをしました。癌を宣告され、死と向き合ったジョブズの経験に基づくメッセージは多くの人の感動を呼びました。その中にまさに「メメント・モリ」について語られた部分があります。訳を読みます。

私は17歳の時にこんな言葉に出会いました。
「毎日を人生最後の日だと思って生きよう。いつか本当にそうなる日が来る」それは印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけるようにしているのです。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と。その答えが何日も「NO」のままなら、何か生き方を見直さないといけないということです。

 

この先もありますが、スピーチはユーチューブで見ることができますし、ネットで検索すれば文章も出てきますから、是非見てください。そういう気持ちで日常を送ることが、iPad、iPhoneをはじめ、トイストーリーなどを制作したアニメ会社を立ち上げるなど、大きな功績につながりました。現在は「メメント・モリ」は「避けることのできない死という未来があるからこそ、今この瞬間を大切に生きることができる」という意味で使われています。私が見たドラマでも女優さんが「死は確実にやってきますが、その日まであなたらしく精一杯生きてください。」と呼びかけるシーンがありました。暗い話になってしまいましたが、最後に、まだまだ長生きをする皆さんに、「メメンとモリ」という本を紹介します。イラストレーターのヨシタケシンスケさんが、今年5月に発表した絵本です。ヨシタケさんは神奈川県茅ヶ崎市生まれ。浜須賀小学校・中学校を卒業、茅ヶ崎北陵高校から筑波大に進学しています。児童書の挿絵、広告美術など多岐にわたる分野で活動しています。この本は、「人は何のために生きているの?」をテーマに「メメン(姉)とモリ(弟)」の日常の3つの物語が書いてあります。10分で読めます。読めば読むほど心に響く言葉や新しい発見があり、気持ちがほっこりし、とても楽になります。図書室に入れていただきました。ヨシタケさんの本は他に2冊あるそうです。校長室に借りにきてくれても良いです。読書の秋です。これを機会に本を読みましょう。読んでいる人はもっとたくさん読みましょう!今年度の始めにお話した、人生に大切な「かきくけこ」も心に留めて生活してください。では、高3生は進路実現に向けて、ラストスパートです。「今を大切に」してください。それでは皆さん、後期も充実した日々を送りましょう。