
2025年10月06日(月)
今日から後期がスタート。後期始業式として校長先生のお話が放送されました。ぜひご一読ください。
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皆さん、おはようございます。 後期がスタートしました。 夏の暑さがやわらぎ、いろいろなことに心地よく集中できる季節がやってきました。この新鮮な気持ちを力にして、一日一日を大切に、実りある学校生活を送りましょう。
さて、今日は、皆さんにぜひ読んでほしい一冊を紹介します。本の名前は『僕には鳥の言葉がわかる』。著者は、鈴木俊貴さんです。鈴木さんは、本校の創設者、額田豊先生がお作りになった「お姉さん学校」にあたる、現在は共学の東邦大学の出身です。先ほど流した鳥の声は、シジュウカラの「縄張り宣言」です。鈴木さんは、この身近な、小さな鳥、シジュウカラの鳴き声を研究している方です。中学1年の国語の教科書、『言葉をもつ鳥、シジュウカラ』で紹介されていたので、興味を持った人もいると思います。鈴木さんの何がすごいか。それは世界で初めて、鳥が人間と同じように「文法のようなルール」を使って、「警戒して・集まれ」といった意味のあるメッセージを伝えていることを発見したことです。この発見は世界中の科学者に衝撃を与え、鈴木さんは「動物言語学」という、新しい学問分野を立ち上げました。小さい頃の鈴木さんは、自然や生き物が大好きで「この虫の説明は図鑑と違う」とか「鳥は何を考えて鳴いているんだろう」などと、「なぜ」を問い続けました。大学3年の時に、シジュウカラは鳴き声の種類が多く、状況によって使い分けていることに気づき、「言葉を持っているのでは」という大胆な仮説を立てて研究をスタートさせ、数えきれないほどの観察データを毎日コツコツと集めました。それを長年継続したからこそ、「鳥の言葉」という大きな発見につながったのです。世界中の誰も気づかなかったことを発見できたのは、自分の「好き」を追い続けた「情熱」と、小さな観察を何年も続けた「継続の力」、この2つがあったからに他なりません。今回紹介した鈴木さんの著書は、生きていく上で必要な「課題解決力」を高めるヒントをはじめ、色々な気づきを与えてくれます。思わずクスッと笑いながら読めます。読書の秋です。図書室にあるので、ぜひ手に取ってみてください。その他の本も読んでくださいね。
私がこの本を読んでハッとしたのは、鈴木さんは、世界中の学会での発表や海外の科学者との交流を当たり前のように紹介していますが、その背景には、相当高い英語力を身につけているということです。やはり英語は大事です。余談ですが、私の息子は、高校時代は英語が苦手で習熟度のクラスは1番下でしたが、社会人になって企業で働くようになると英語が必要になるケースが多く、苦手な英語を継続して勉強したところ、今は英検1級を取得して仕事で海外派遣されています。
皆さんも、もしかしたら苦手で避けている事柄があるかもしれません。でも、鈴木さんの「継続」のお話から学ぶように、未知なこと、無理かなと思ったことでも、逃げずに継続すれば、「未来の得意」になる可能性があります。苦手なことが、皆さんの未来を大きく開く鍵になり、運を引き寄せるかも知れません。
今日から文化祭に向けてクラスや部活動の準備が忙しくなってくると思います。それぞれが皆さんの活躍のチャンスです。辛く感じること、もう感じていることもあるかもしれませんが、その一つ一つが確実に皆さんをたくましくしてくれます。頑張ってください。そして、目の前のこと、もちろん勉強にも、今日話した「好き・得意」と「継続の力」を活かして、自分の可能性を少しずつ広げていってください。高3生はいよいよ進路を決定する、高校生活の総仕上げの時期です。人生は一度きり、一方通行です。不安や緊張を楽しむくらいの強い気持ちで臨んでください。全校生徒の皆さん、「やればできる」と自分の可能性を信じて、積極的に行動しましょう。私たち教職員はしっかり皆さんをサポートしますから、いつでも頼ってください。
コシノジュンコさんの人生に大切な「かきくけこ」をこれまで紹介してきましたが、12月にコシノジュンコさんにお越しいただき、皆さんにお話しをしていただく予定です。
では、ワクワクする後期にしていきましょう!
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