学園からのお知らせ

《校長》授業始 講話

2024年01月09日(火)

1月9日(火)、授業始を行いました。放送で校長先生のお話がありましたので紹介いたします。ぜひご一読ください。


皆さん、おはようございます。
新年早々、悲しい出来事が続いています。ニュースを見ているとやるせない思いでいっぱいになります。能登半島の地震の関連で、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、一日も早く平穏な日々が訪れますよう心よりお祈りいたします。
石川県では、小中学校の4校に1校は休校が続き、再開のめどがついていない学校も多くあります。高校には、3学期は全てオンラインにすることを決めた学校もあるようです。
本校は、今日から学年の締めくくりの生活がスタートします。2週間以上休みがあり、ペースが掴めない人がいるかも知れませんが、気持ちを切り替え、一日一日を大切にして、元気に過ごしましょう。
年末の授業納め式では、新しい年に向けて、目標を考えましょうとお話ししました。考えた目標は、心の中に留めておくのではなく、人に伝えたり、紙に書くと、自分の意思が明確になり、現実になる可能性が高まります。達成したらワクワクするような具体的な目標を設定して、一年を過ごす原動力にしてください。
皆さんが新しいチャレンジをするように、学校も進化しなくてはなりません。 今日、学年主任の先生から学校生活のアンケートのメールが届いたと思いますが、その文にあるように、皆さんが楽しく充実した学園生活を過ごせるよう、アンケートを実施して率直な意見を伺います。
私は、昨年度、制服のスラックスがなかったので、防寒や機能性の面から必要ですから、コシノジュンコさんに直接お会いして作製していただきました。今年度、図書室は、図書委員の皆さんや図書室担当の先生方、司書の佐藤さんが、2万5千冊の本にバーコードを貼って整理してくださったので、iPadで図書情報を検索できるようになりました。今後はさらに皆さんが利用したくなる図書室へと改善する予定です。また昨年末、コロナの影響からか、クオリティが低かったカフェテラスのメニューを増やしてくださるよう要望しました。今日は100円でカレーが販売されるようです。カフェテラスが皆さんの憩いの場になり、栄養バランスの良いメニューになるよう改革したいと思っています。今回お願いしているアンケートには、是非皆さんのアイディアなどを積極的に記載してください。そこで、記載する際のコンセプト、観点に関するお話しをします。

ちょっと唐突ですが、本学園の教育理念を皆さんは言えますか。「のびやかな自立した女性を育む」ことです。私立の学校には創設者の思いでもある「建学の精神」があります。皆さんは、本学園の創設者をご存知でしょうか。これまで聞いたことがあると思いますが、創設した方は談話室に銅像やお写真がありますが、額田豊先生です。
額田先生は、東京帝国大学医学部、現在の東京大学を卒業された医学博士です。大学卒業後のドイツ留学がきっかけで、女子教育の必要性を痛感されたそうです。ドイツでもっとも驚いたことは、子どもから大人までが衣食住全般にわたって科学的な思考を身につけていることでした。女性たちが合理的に家事をこなしながら、悠々と教養を深めたり娯楽を楽しんだりしている様子にすっかり感心したそうです。そこで、額田先生は、社会を支えるには、女性の地位の確立が基礎であり、日本で遅れている女性への科学的教育を組織的に行うことからはじめなければならないと考えました。帰国後は、まず1925年に帝国女子医学専門学校を設立されました。現在の東邦大学です。同時期に日本大学医学部の前身である日本大学専門部医学科の創設についても進められたそうなので、驚くべき実行力です。
本学園はその15年後の1940年に設立されました。額田先生の本学園の「建学の精神」を簡潔に言うと、「物の見方、考え方が合理的・科学的で、健康で、協調性に富んだ女子の育成」です。設立当時は昭和初期ですから、従順でおしとやか、いわゆる「良妻賢母」が理想でしたが、時代の趨勢に合わせて、そこは改め、現在は、伸び伸びと自己表現ができることが求められています。皆さんの学園生活には、脈々とこの「建学の精神」が息づいているのです。
長くなりましたが、以上のことから、今回のアンケートは、自分の主観でなく、この課題があるからこうした方がよいというように合理的に考えて、皆のプラスになるという客観的な視点で記入してください。このように考えられる力は、社会に出た時に必要不可欠な力です。
これからの3ヶ月は、登校日が少ないので、あっという間に過ぎてしまいます。特に一般受験の高3生は、週末には大学入学共通テストです。ラストの追い込みを続けましょう。努力は決して裏切らないし、自分の自信になります。
では皆さん、今年一年、昨日より今日、今日より明日、明日より明後日、とステップアップしてその日を終えられるよう、いろいろなことに積極的に取り組んでください。 これで私の話を終わります。ごきげんよう。