学園からのお知らせ

〈学校長〉令和6年度入学式式辞

2024年04月10日(水)

桜の花びらが絨毯をおりなし、春の息吹を感じる季節となりました。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。北鎌倉女子学園の歴史をつくる仲間になってくださいました皆さんを心から歓迎します。
そして、これまで深い愛情で、お嬢様を育んでこられた保護者の皆様に心よりお祝いを申し上げます。

さて、新入生の皆さん、本校の教育理念はご存知でしょうか。
「のびやかな自立した女性を育む」です。
「自立」は、「他人から援助されずに、自分の力で生きていけること」という意味があります。今日、登校する準備は一人でできましたか。皆さんのキチンとした様子から身の回りのことができること、「生活的な自立」は備わっていると感じています。
本日から皆さんは、いろいろな問題に対して自分で判断し決定する「精神的な自立」や、将来、社会に出て収入を得る「経済的自立」に向け、そして究極の目標である、幸せな人生を送るための準備を始めることになります。

そこで、皆さんに心がけてほしいことを3つお話します。
1つ目は「しっかり学ぶ」ということです。本校が特色としている英語やICTスキルをはじめ、この教育環境や教員をフルに活用して、自ら学ぶ習慣をつけてください。
学びながら、得意にしていること、好きなことを見つけて、かけがえのない一度きりの人生で 自分の才能を最大限に発揮できるようなシナリオを書きましょう。潜在力を発揮するためには努力が必要ですし、積極的にさまざまな経験をすることは、皆さんの自信やチカラになります。しっかり学んで基礎を固めて、自らの可能性を広げてください。
2つ目は「チャレンジする」ということです。
自分を表現するチャンスがあれば、限界をつくらず、ワンランク上のことにも思いっきりチャレンジしてください。本校は探究的な学びや本物に触れ、心を動かす機会をたくさん用意しています。それらにワクワクしながら真剣に取り組み、本番のステージに立つ経験が、あなた自身の幹を太くして、時代の変化に対応できるたくましさを育みます。学校行事や部活動などでも、抱えきれない思い出と達成感を味わってほしいと思います。
3つ目は、「思いやりをもつ」ということで、これは本校の伝統です。
相手の立場に立って物事を考えることが大切です。人はそれぞれの価値観を持っているので、他の人の気持ちがわからないこともあります。そこで必要なことは、想像力をはたらかせることです。明るく挨拶をすることが大切だということも想像できると思います。

話の冒頭で、自立の意味は「自分の力で生きていけること」と話しました。しかし本当は、自立に必要なことは「頼れる人を増やすこと」だと思います。困っていたら助けてもらい、自分も誰かに頼られる。自立している人とは、適切な依存ができて、そのことをよく自覚し、感謝できる人ではないでしょうか。
学校生活で、皆さんは一人ではありません。共に挑戦する仲間がいて、相談できる先輩がいます。私たち教職員は、皆さんのドリームサポーターとして、一人ひとりの個性を大切にし、夢を叶えるために全力で支援します。どうぞ頼ってください。

保護者の皆様、大切なお嬢様をお預けいただき誠にありがとうございます。改めまして、本校の教育へのご理解とご支援を賜りますよう よろしくお願い申し上げます。

最後になりますが、新入生の皆さんが、温かい友情を育み、志高くして充実した学園生活を送られることを 心から祈念し、私の式辞といたします。

令和6年4月9日
北鎌倉女子学園中学校高等学校
校長 佐野朗子