入試に関するお知らせ

北鎌よもやま話No.125「古レールの話」

2012年03月28日(水)

私たちが毎日利用している北鎌倉駅。前回(123回)は「犬釘の話」を紹介しました。今回は駅のホーム屋根(上家)を紹介しましょう。昭和2(1927)年に仮開業した北鎌倉駅の駅舎は、改修を重ねつつ今に至るまで健在しています。同様にその当時からあるのが、上りホームの屋根(上家)です。よく見ると古レールが柱や梁に使われており、1902(明治35)年という刻印も見られます。生憎、ペンキが厚く塗られているので製造メーカーはわかりませんが、110年前のレールが今なお建築構造部材として機能しているとは驚きです。ちなみに、お隣の鎌倉駅の柱は、刻印部分のペンキが剥がされ、メーカー名がわかるようになっています。「CAMMELL TOUGHENED STEEL」(英国のキャンメル社製)とあり、特に「TOUGHENED STEEL」(強化鉄入り)と明記されているレールは1880年以前のものといわれています。横須賀線の開通(1889年6月)と同時開業した鎌倉駅です。この古レールは他線区で使われていたものか、古鉄として輸入されたものかは不明ですが、レール一本にも明治の香りがするかと思うと情緒を感じるものです。一般的に古レールは負荷のそれほどかからない場所に使われており、鉄道施設の手すりや柵にも使われています。何にせよ、第一線を退いたレールが第二の人生で活躍している姿は頼もしく感じるものです。皆さんも、電車の待ち時間には柱や梁を見てみて下さい。思わぬ発見があるでしょう。 文責:N.K.

上りホームのベンチ上の屋根。その奥の屋根にも古レールが使用。

屋根の梁に残る「建物財産標」。

梁に残る「1902」の刻印。(読み易くするために上下反転しています)

レールの形状がよくわかる梁。

北鎌倉駅下りホームの柵。

鎌倉駅ホームの柱。「CAMMELL TOUGHENED S…」